虫歯や歯周病になっても歯医者で治療すれば治ると考えている方はいませんか?
健康な歯を保つためには予防が大切です。一度歯を削ってしまったり失ってしまったりするともう元には戻らないのです。
当院では、予防歯科に力を入れ、お口の健康をサポートしており、歯や歯茎の定期的な検診やクリーニング、フッ素塗布などのサービスを提供しております。
予防歯科の重要性
予防歯科は、歯の健康を維持するために非常に重要です。
歯を健康に保つことは、口内環境全体の健康を維持し、全身の健康にも繋がるからです。
定期的な歯科検診やクリーニングは、虫歯や歯周病の早期発見や治療を促し、健康な歯や歯茎を保つのに効果的です。虫歯や歯周病は放置すると悪化し、歯を失う原因になるばかりか、全身の健康にも悪影響を与える可能性があります。特に、心臓病や糖尿病、妊娠中の女性においては、歯周病が健康問題を引き起こす可能性が高くなります。
また、予防歯科には歯磨きやフッ素塗布、シーラントなどの処置が含まれます。これらは、歯の表面を清潔にし、虫歯や歯周病の原因となる細菌の繁殖を防ぐことができます。さらに、予防歯科は子どもから高齢者まで、すべての年齢層に適しています。
ご自身で行うセルフケアに加えて、歯科医院でのプロフェッショナルケアを実施することが最も効果的です。歯科医師や歯科衛生士は、患者様の口内環境を総合的に評価し、適切なアドバイスや処置を提供することができます。定期的な歯科検診やクリーニングを受けることで、歯の健康を維持することができ、将来的な歯科治療の費用を抑えることもできます。
総合的に考えると、予防歯科は、歯の健康を維持するために必要な取り組みであり、口内環境全体の健康や全身の健康にも影響を与えることがあるため、積極的に取り組むことが重要です。
歯科・歯医者へ通う考え方の違い
治療から予防へ
皆さんの中には、「歯が痛い」「歯が黒くなっている」と感じてから歯医者に行く方もいらっしゃるかもしれません。歯に異変を感じてしまうと虫歯や歯周病などの歯の病気が進行してしまっている可能性が高く、治療が必須になります。
このように、日本では、虫歯や歯周病の治療に重点が置かれ、歯科医師や歯科衛生士が治療に力を入れる傾向がある一方で、欧米諸国では、予防歯科に重点が置かれており、虫歯や歯周病の発生を未然に防ぐことに力を入れています。定期健診やクリーニング、フッ素塗布などの予防歯科的な取り組みに力を入れ、治療が必要になる前に早期発見・予防することを目的としています。
日本と欧米諸国では歯科診療の考え方が異なるため、治療や予防のアプローチに違いがあります。しかし、近年では日本でも予防歯科に注目が集まっており、当院でも欧米諸国と同様に予防的な取り組みを推進しております。
予防先進国と日本の定期健診を受ける割合
日本と欧米諸国では歯科診療の考え方が異なるため、日本の定期健診を受ける割合が他国に比べて低くなっていることがわかります。また、定期健診の受診率が低くなるにつれて残存歯数も減少しているのがわかります。
スウェーデンの高齢者は、日本の高齢者よりも平均的に残存歯数が多い結果となっています。これは、スウェーデンにおいては予防歯科が盛んに行われ、子どもたちから高齢者まで幅広く定期的な歯科健診を受けていることが背景にあると考えられます。
予防歯科に重点を置いた取り組み「8020運動」について
「8020運動」とは、日本の厚生労働省が推進する、歯を自分の力で80歳までに20本以上残すことを目標とする取り組みです。
この運動は、高齢者においても健康な口腔状態を維持することができるよう、予防歯科に重点を置いた取り組みが進められるようになりました。具体的には、定期的な歯科健診の受診や、適切な歯磨きや食生活の指導、フッ素塗布やシーラント処置など、予防歯科による口腔環境の改善が推奨されています。
8020運動の目的
高齢者においても健康な口腔状態を保ち、健康寿命を延ばすことにあります。
歯を失うことによって、咀嚼機能が低下したり、栄養不良や誤嚥性肺炎などのリスクを高めたりすることが知られています。そのため、8020運動では、歯を失うことを防ぎ、健康的な咀嚼機能や食生活を維持することが重要視されています。
高齢者に限らず、すべての人が健康な歯を保つことができるよう啓蒙活動が行われています。健康な歯は、健康な体を保つことにもつながりますので、日常的な歯磨きや予防歯科の受診を習慣づけることが大切です。
予防歯科のメリット
①虫歯や歯周病の早期発見
予防歯科には、虫歯や歯周病の早期発見が大きなメリットとしてあげられます。これらの疾患は自分では気づきにくい場合があり、初期症状があっても放置していると進行してしまうことがあります。しかし、予防歯科に通うことで定期的な口内検査や歯科医師の指導を受けることができ、虫歯や歯周病を早期発見し、治療することができます。
虫歯は初期段階では痛みや違和感がほとんどなく、ご自身ではなかなか気づくことができません。
しかし、レントゲン検査や口内検査を行い、虫歯を早期に発見することができるのです。小さな虫歯であればシーラントやフッ素塗布などの治療法で対処することができます。
歯周病も自覚症状が少なく、初期段階では歯茎の腫れや出血があってもご自身では気づかないことがあります。
予防歯科を受診していただければ、歯周ポケットの測定や歯茎の状態を観察することで歯周病を早期に発見することができます。早期発見であれば、歯石除去や歯周病菌の除菌、適切な口腔ケアの指導を行うことで、病気の進行を最小限に抑えることができます。
②健康的な歯の維持
健康的な歯を維持するためには、虫歯や歯周病の予防が重要です。虫歯や歯周病は進行すると、歯が抜けたり、歯茎が後退したり、口臭や噛み合わせの不調などの問題を引き起こすことがあります。
しかし、予防歯科によって定期的な検査や予防処置を受けることで、虫歯や歯周病を予防し早期発見できるため、健康的な歯を維持することができます。
定期的な予防歯科の受診は、自分自身の口腔内の健康を保ち将来的には治療の必要性を減らすことができるため、非常に重要なことと言えます。
③治療費の軽減
予防歯科に取り組むことで、虫歯や歯周病の発症リスクが低下し、それに伴い治療が必要なケースが減少します。その結果、治療費を大幅に軽減することができます。
虫歯や歯周病が進行してから治療を受ける場合、抜歯や根管治療、インプラントなど高額な外科手術が必要になることがあります。しかし、予防歯科を行うことで、これらの治療を回避することができます。また、早期発見・治療ができれば、治療費がかかったとしても高額になる可能性を避けることができます。
定期健診でも費用がかかるのでは?と考えている方もいらっしゃるかと思いますが、将来的に見れば歯にかける金額を削減できるのです。
④健康寿命の延伸
歯のトラブルは日常生活に大きな影響を与えるだけでなく、全身の健康にも深く関係しています。虫歯や歯周病が進行すると、口内の細菌が血液中に侵入し、心臓病や糖尿病、認知症などの生活習慣病のリスクが高まることがわかっています。
歯が健康であれば、咀嚼機能も維持されて食物を十分に噛むことができます。食物を十分に噛むことで、消化吸収が促進されて栄養素を効率的に摂取することができます。
また、咀嚼は脳の機能を改善するため、認知症やアルツハイマー病の予防にもつながるとされています。健康的な歯を維持することで、咀嚼機能が維持され、健康寿命を延伸することができるのです。
予防歯科の診療内容
PMTC
PMTCとは、(Professional Mechanical Tooth Cleaning)の略称で、歯科医師や歯科衛生士などの専門家が行う、専用の器具を使用して歯の表面や歯と歯茎の境目などについた歯垢やステイン(着色汚れ)を除去する歯科予防処置のことです。
クリーニングよりも深いレベルでの歯の清掃を目的としており、専門的なケアを行います。
PMTCは、歯ブラシやフロスでは除去できない、歯垢やステインを効果的に取り除くことができます。また、歯の表面だけでなく、歯と歯茎の境目や歯周ポケット(歯肉と歯の間の隙間)に蓄積された歯垢や細菌も取り除くことができるため、歯周病の予防や進行の抑制にも効果があります。
定期的に受けることで、歯の健康維持や虫歯・歯周病の予防につながり、口腔内の健康状態のチェックや、適切な歯磨きのアドバイスも受けることができます。
定期的な歯科検診
歯科検診では、歯や歯茎の状態をチェックし、早期に虫歯や歯周病などの異常を発見することができます。特に、自覚症状のない早期の病気は歯科医師の専門知識をもってしても発見が難しいことが多いため、定期的な検診が重要とされています。
フッ素塗布
フッ素は、歯の表面に塗布されることで、虫歯を予防する効果があります。具体的には、フッ素が歯質に浸透することで、歯のエナメル質を強化してくれるため、酸に強くなり、虫歯を予防することができます。
フッ素塗布は、子どもから高齢者まで幅広い年齢層に行われる予防歯科の一つであり、特に虫歯にかかりやすい子どもにおいては、虫歯の予防や進行の抑制に効果的とされています。
しかし、過剰な摂取は健康に害を及ぼすこともあるため、適切な濃度と頻度で行うことが大切です。
PMTCの流れ
Flow1
受診前の問診
歯科医師や歯科衛生士が、患者様の口腔内で気になっていることについてご質問させていただきます。日常生活でお口のお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。
Flow2
口内のチェック
磨き残し(歯垢や歯石の付着具合)や虫歯・歯周病の有無など、現在の歯の様子について確認していきます。
Flow3
歯石の除去
歯石が蓄積していた場合は、歯科衛生士がスケーラーという器具を使って歯石を取り除きます。歯石は、歯ブラシやフロスで落とせない硬い歯垢の塊です。
Flow4
歯面や歯間のクリーニング
回転式のブラシやゴム製のチップを使用して歯の表面や歯と歯の間をクリーニングしていきます。
Flow5
歯面の磨き上げ
歯面をスムーズにし、汚れのつきにくい表面にします。
Flow6
フッ素の塗布
フッ素を塗ることで、歯の再石灰化を促進し、虫歯の予防に効果があります。
Flow7
指導とアドバイス
歯科医師や歯科衛生士が、正しい歯磨きの方法や口腔ケアのアドバイスをします。
セルフケアについて
予防歯科では自分自身で行うセルフケアが非常に重要です。毎日継続してお口の適切なセルフケアを行うことで虫歯や歯周病の発生を予防することができます。セルフケアとは主に「歯磨き」「デンタルフロス」「マウスウォッシュ」などです。
定期健診について
受診の目安
一般的に、歯の定期健診の受診目安は、3か月から6か月に1回とされています。しかし、個人差や口内環境によって受診の頻度は異なる場合がありますので、歯科医師からのアドバイスや口腔内の状態に応じて適切な間隔での受診が重要です。
また、症状がある場合には、早めに受診をしましょう。
定期健診の料金(保険適用)について
歯科医院での定期健診やクリーニング、治療などは、国民健康保険や社会保険などの保険が適用されることが一般的です。保険適用の範囲内であれば、検診やクリーニングは一定の割合で自己負担がありますが、保険外の治療に比べると費用は抑えることができます。症状や治療方法によって保険適用の範囲が異なるため、詳細な料金については、当院まで直接お問い合わせください。
定期検診の流れについて
Flow1
受付
歯科医院に到着したら、まず受付で受付けをします。保険証などを提示していただき、問診票に自分の症状などを記入していただきます。
Flow2
問診・検査
問診では、問診票をもとに患者様のご状況をしっかりと伺っていきます。ご不明点がございましたらお気軽にご相談ください。
その後、検査で虫歯や歯周病、口内の異常などを確認します。また、必要に応じてレントゲン検査や口腔内写真の撮影を行います。
Flow3
治療
問診と検査の結果をご説明し、治療が必要な場合は、その場で治療を行う場合もあります。例えば、虫歯の詰め物や歯石の除去などのクリーニングを行います。
Flow4
定期健診
問診や検査、治療が終わった後、次回の予約をして、定期健診を終了します。次回の定期健診までに、セルフケアを徹底して、口腔内の健康を保ちましょう。
フッ素塗布のメリットについて
①虫歯の予防
フッ素は、歯のエナメル質を強化し、虫歯に対する耐性を高める効果があります。フッ素塗布により、虫歯の発生を予防することができます。
②歯の再石灰化促進
虫歯ができると、歯のエナメル質が脱灰します。フッ素は、歯の再石灰化を促進し、脱灰した歯を修復する効果があります。
③健康な歯の維持
フッ素は、虫歯だけでなく、歯周病の予防にも役立ちます。フッ素塗布により、健康な歯を維持することができます。
③痛みや違和感の軽減
虫歯が進行すると、歯の神経に刺激が加わり、痛みや違和感を覚えることがあります。フッ素塗布により、虫歯の進行を遅らせ、痛みや違和感を軽減することができます。
④安全性が高い
フッ素は、安全性が高く、副作用が少ない治療法です。また、フッ素の濃度や塗布時間を調整することで、より効果的な治療が可能です。